急性心不全が改善し帰宅する患者さんの退院計画におけるヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)の役割は何ですか?

Dr Sim:NT-proBNPの1回限りの測定は、連続測定ほど有用ではありません。ある患者さんについて、最初は高値だったのが、退院時および退院1ヵ月後時点で数値が低下していることが示されれば、正しい方向に進んでいることが確信できます。一方、入院時に1回だけ測定した結果が高値を示していても、それだけで今後の正しい方向性を決定するのは困難です。特に若年患者さんの場合、最初にNT-proBNP値が極めて高値で、低下しない場合、実際には上昇傾向であることを示しています。結果的に、心血管異常が他にないか確認したり、薬剤が最適かを確認するために、さらに画像検査が行われる可能性があります。このグループでは心臓再同調療法(CRT)、さらには心臓移植や左室補助人工心臓を早期に検討します。最初の数値が5000 pg/mLで、数ヵ月後も5000 pg/mL弱の患者さんは死亡の有害な心血管イベントリスクが高く、今後12ヵ月の間に再入院リスクが非常に高くなります。

Dr Januzzi: 入院している患者さんについては、退院前にNT-proBNPを測定して入院中に30%以上低下したかを評価し、その後、1~2週間後に診察室または自宅で再測定し、改善が継続していることを確認することが推奨されます。

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